人造人間編の途中から悟空達サイヤ人とは強さの差が開き、主力メンバーから脱落してしまった感があるピッコロだが、それまでは驚異的な伸びを見せてきた。ここでは、それを取り上げたいと思う。
ラディッツ襲来時、ピッコロは悟空との基本戦闘力の差が余り無かった。しかし、直近五年間の悟空は結婚生活やら育児やらで、以前ほど修行に時間を割けなかった。もしピッコロが本気で悟空を殺したいと思ったら、この間に懸命に修行して悟空を追い抜けたはずである。新必殺技を編み出すために戦闘力の伸びが今一つだったとも予想出来るが、それにしたって五年もあれば両立は可能だった。
ピッコロは次の一年で基本戦闘力が約三倍に上がっていた。これは迫りくる二人のサイヤ人との対決に備えて修行した成果だが、ピッコロは他の戦士達とは状況が異なる。悟空は界王に、クリリン達は神様に師事して強くなったが、この時のピッコロには師匠が居ない。しかも後半の半年は悟飯を鍛えるのに勤しんでおり、自身の修行のための時間を取れなかった。この時の悟飯はピッコロより数段劣っていたため、ピッコロ自身の修行にはならなかっただろう。
悟飯の就寝後にピッコロは一人で修行をしていたかもしれないが、せいぜい二・三時間程度だろう。つまりピッコロは、前半の半年の修行プラスアルファだけで、あそこまで強くなった訳である。もしピッコロが悟飯を鍛えたりせず、一年間を自身の修行に専念していたら、ナッパに勝てたとまでは言わないが、悟空が来るまで死なずに持ち堪えたかもしれない。
ナッパに殺された後、ピッコロは蛇の道を通って界王の星に向かう。そして、わずか六日修行しただけでナメック星に行くと思われているが、これに異を唱えたい。この時はピッコロだけでなくヤムチャ達も界王の星に行くが、ピッコロがヤムチャ達と並走して蛇の道を走破したとは考え難い。ヤムチャ達とはサイヤ人達と戦う際に共闘したが、決して仲が良い訳ではない。仲が良くないのに、何日も一緒に行動するとは思えない。
おそらくピッコロは一人で先に進み、真っ先に界王の星に到着しただろう。頭が良い彼は、ペース配分を考えて百万キロの距離を効率よく進んだだろう。私は五日から十日の間で走破したと予想する。そして、一人で黙々と修行していただろう。そこでピッコロは、ネイルを驚かせるほど強くなる。地球の十倍の重力だったとはいえ、わずか一ヶ月の修行で、ピッコロは十倍以上は強くなったと思われる。この時のピッコロは、悟空やベジータ以上の成長スピードだったと言える。
ナメック星のドラゴンボールで生き返ったピッコロは、フリーザと戦う前にネイルと会い、彼と融合して更にパワーアップする。以前の自分だったら、この時にピッコロの戦闘力は百万を超えたと思っていたが、今はそうではない。その理由については、次回の考察で述べる事にする。
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