以前の考察で、フリーザが変身の度に戦闘力が倍になっていると書いた。当時は、それが正しいと思っていた。しかし、今は違う。ここでは、それを述べようと思う。
まず変身前のフリーザの戦闘能力五十三万は、千桁以下は切り捨てられているが、具体的な数値なので、実際にスカウターで測定したと見て間違いないだろう。ただし、スカウターでは自分自身の戦闘力は測定出来ない。他人に測定してもらうしかない。しかも五十三万は、最新のスカウターでも測定出来ない数値だから、作中には出ていないが特製のスカウターで測定してもらったのだろう。
一方、変身したフリーザは「百万以上は確実」と言っているが、これは具体的だった五十三万に比べると、随分と曖昧な表現である。恐らく正確な数値は、フリーザ自身も知らないだろう。フリーザの変身は、長年仕えていたザーボンですら聞いた事がある程度で見た事がないほど滅多にしないので、わざわざ変身して測定するとは考え難い。
それでは、この百万以上という数値は何かというと、私は誇張であると思う。フリーザが実際の数値を知らなくても、変身した時の感触から、大体の数値を予測出来たかもしれない。しかし、それを敵であるベジータ達に正直に言うだろうか。三国志演義における赤壁の戦いで、曹操は自軍が八十万であると嘯いて孫権に降伏を迫る場面がある。実際より数を多く見せ、相手に脅威を与え、自分が心理的有利に立つ戦術は、昔から多く見られてきた。フリーザも同じ事をしたと思う。
百万以上が誇張なら、実際の戦闘力は百万以下だろう。七・八十万ぐらいが妥当ではないだろうか。そして、そのフリーザと対等に渡り合ったピッコロも、同じ位の戦闘力だと思う。ピッコロは重いターバンとマントを身に纏って力を抑えていたが、それ等を脱ぎ捨てて地面に落下した時の衝撃が、ラディッツ戦の時と余り変わっていなかった。
ラディッツ戦の時のピッコロの戦闘力が、脱ぐ前が322で、脱いだら408だったので、約21%も力を抑えていた計算になる。あの頃からピッコロの戦闘力は、少なくとも千倍以上は上がっているのに、ターバンやマントが同じ重さのままだったら、以前と同じ割合で力を抑えられないだろう。仮に脱ぐ前の戦闘力が八十万だとしても、脱いでも百万には届かない。
フリーザは更に変身し、それについて考察で書きたい事もあるが、長くなりそうなので、今回はここまでとする。
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