無印から超まで長きに渡って放送されてきたドラゴンボールシリーズの中で、自分の記憶から抹消したいほど受け入れられない回が二つある。GTの天下一武道会の回と、超のアラレの回だ。双方とも放送当時は悪い悪夢を見ているようで、放送後しばらく立ち直れなかった。今でも思い出す度に不機嫌になるが、それでも当時を振り返って自分が感じた事を述べようと思う。
アラレの回で最初に違和感を覚えたのは、則巻千兵衛の見た目である。ロボットゆえに年を取らないアラレと違い、千兵衛は人間である。にも拘らず登場した時の見た目は、子供の頃の悟空に会った時と変わっていなかった。あれから作中では数十年が過ぎ、悟空は大人になって孫まで居るのに、千兵衛の見た目が変わっていないのは不自然である 。
もしアラレの住む世界がドラゴンボールの世界と繋がっているならば、千兵衛は年寄りになっていないと辻褄が合わない。ギャグ漫画ゆえに時間の流れが違うと主張するなら、二つの世界は繋がっていないと認めているようなものだ。ブルマの両親も見た目が変わっていないから千兵衛が変わっていなくても不思議ではないと主張するなら、ブリーフ博士は老け顔だから、ブルマの母は厚化粧で誤魔化しているからと反論出来る。千兵衛は、どちらでもない。
自分は、ドラゴンボールにアラレ達が登場するのは、コラボ企画だと考えている。こち亀やワンピース、トリコとも漫画かアニメでドラゴンボールとコラボした事はあるが、それと同じだと思っている。ドクター・スランプは、ドラゴンボールと同じ作者が書いたものだから、他作品よりコラボが多いだけの話である。
前置きが長くなってしまったが、いよいよ今回の考察の本題であるアラレの強さについて述べる。以前の考察では、アラレの強さを戦闘力にすると五百位と述べた。その理由は、ドクター・スランプで悟空が登場した際、アラレと同じ強さを持つオボッチャマンの攻撃が大猿化した悟空に通じず、簡単に吹っ飛ばされたからである。当時の悟空の戦闘力を百とすると、大猿化した悟空の戦闘力は千。その中間の五百位が妥当だと当時は思っていた。
ところが、超に登場したアラレの強さは、それを遥かに凌駕する強さを見せた。これを観て思ったのは、アラレの強さは不定だという事だ。どういう事かと言うと、各ストーリーの都合によってアラレは強くも弱くもなるという事だ。考えてみれば当たり前である。アラレには強いという設定だけがあり、どれだけの強さを持つかは、作中では一切述べられていない。
アラレとは逆に強さが明確に示されているのは、鉄腕アトムである。アトムは十万馬力と作中で述べられている。一馬力を戦闘力にすると十と設定するならば、アトムは戦闘力百万の強さを持つと想定される。
アラレの強さが決まっていないなら、どれだけアラレが強いのかを論じるのは無意味である。今後もドラゴンボール超でアラレが登場するかは分からないが、悟空が更に強くなっても、アラレを圧倒する話は作られないだろう。
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